顔面神経麻痺について。
こんにちは。わたなべ耳鼻咽喉科 院長です。
顔面麻痺(顔面神経麻痺)という病気は聞いたことがありますか?
この病気は、顔を動かす神経の麻痺です。一般にはあまり詳しくは知られていないようです。耳にしたことはあるかもしれませんね。
芸能人でいうと、ビートたけしさん(交通事故が原因です)、TKOの木下隆行さん(ストレスによるものと噂されています)がこの病気にかかりました。
顔面神経は、顔面の神経を動かして表情を作る以外にも、まぶたや口を動かしたり唾液や涙の分泌を促す大切な役割を担っています。
なぜ耳鼻咽喉科でこの‟顔面神経麻痺“を扱うのかというと、この顔面神経、中耳のすぐ近くを通って顔面に分布していることがその理由です。耳鼻咽喉科が専門の病気です。
脳幹から出てくる顔面神経が側頭骨の中の顔面神経菅という骨の中を通って耳の下から出てくるため麻痺しやすいという宿命があります。中耳を通る顔面神経の麻痺のことを末梢性麻痺といい、脳の中からの麻痺ではないことが大多数です。
単純疱疹ウィルス(ヘルペスウィルス)が原因で顔面神経麻痺以外に症状のないベル麻痺といわれるものと、
帯状疱疹ウィルス(みずぼうそうウィルス)が原因で顔面神経麻痺の他に耳の帯状疱疹、めまい、難聴を伴いやや治りの悪いハント症候群といわれるものがあります。ほかにもごく少数ですが脳内疾患の一症状の場合もあります。
麻痺が残ってしまうことがあるので、できるだけ早めの耳鼻咽喉科専門医受診と治療開始をお勧めします。治療としては抗ウイルス剤やステロイド剤による治療が中心になります。
ストレスによる免疫力低下などによって、ヘルペスウィルス・帯状疱疹ウィルス(みずぼうそうでも有名)が神経に感染し、顔面神経麻痺を起こすことがあります。4月、新生活がはじまって、新入の職場や転勤、配置換えなどでストレスをため込んでいるかたは注意が必要かもしれません。
通院で治療できる場合と、重症度によっては精査したのち入院したほうがいい場合があります。受診の際にはご遠慮なく当院までご相談ください。治療開始はなるべくお早めに!
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