お子さんの鼻吸引について③
~前回の「お子さんの鼻吸引について②」の続き~
まあ、ここでは挙げませんが、その他の吸引機器もよいところはいっぱいあります。電動吸引器は吸引の圧は強めですしね。
ただ、これは自宅での吸引機器全般に言えることなのですが、自宅で鼻吸引をおこなう際には注意する点がいくつかあります。
① 吸引器先端と鼻腔入口部を密着させる:
どんなに良い吸引機器でも先端が鼻に当たらなければ意味がありません。『鼻の入口部と吸引の先が平行』になるのが望ましく、一番吸引力が出る姿勢です。まあ、子どもが喜んでしてくれる吸引をさせてくれる環境であれば問題はないのですが・・・
この上の写真の吸引器先端の角度は×です。隙間ができてしまっていますね。
この写真の角度は〇です。吸引機先端と鼻腔入口部が密着しています。
② 基本的には吸引係と押さえ係の二名が必要となる:
おりこうさんの幼小児を別にして、また乳児のあまり動かない時期を別にして、子供は鼻の吸引は嫌がります。なので鼻吸引をちゃんとさせるよう約束させる、痛くしないように心がける、音をなるべく立てないなど怖がらせないようにする、鼻が通った時の快感を覚えさせる、などの工夫が大切です。
③ 無理をしない。特に固まっている鼻水があるとき:
鼻水を無理やり吸引するのはキケンです。出血の原因になります。親心はわかります、取ってあげたいのは・・・。でも、無理してとることで、鼻血が出て救急車で搬送された症例を私は知っています。(奇しくも対応させられましたのは私でございました。) ネバネバした鼻水、固まった鼻水を取るときには、入浴後とか、蒸しタオルで十分鼻の周りを蒸らしたあとが推奨です。それでも奥のほうは無理してとれば出血するので、ご両親には『頑張りすぎないでね!!』とお伝えしています。
④ 吸引器を不潔にしない!:
あるあるなのですが、お父さんお母さんも子供さんも吸引するのに疲れてしまって、吸引した後の器具をそのままポンっと放置するケースがあります。雑菌が繁殖して、そのまま再使用すると逆行性の感染リスクがあります。煮沸消毒されているケースもありますし、ミルトンなどでの消毒もよいと思います。
このように、鼻吸引器ひとつをとっても考えないといけないことが多いのです。
ただ、鼻の吸引をしておいたほうが症状の改善につながるし、中耳炎のリスクも多少なりとも軽減するように思います。参考になると大変うれしく思います。
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