②診療への理解を深め、よりよい医療の提供を~あじさいネットごぞんじですか?~
こんにちは。わたなべ耳鼻咽喉科院長の渡邊敬です。
前回のブログのお話、「①あじさいネットの立ち上がり~あじさいネット、ごぞんじですか?~」のつづきです。
医療情報連携ネットワークであるこの「あじさいネット」、当院は長崎医療センターへの紹介が最も多いのですが、紹介患者さんにはほぼ全例あじさいネットの同意書を頂いております。
ちなみに平成17年から令和2年末までの16年間で登録総数は1159件、年間平均74.3件となっております。
紹介先での個人情報を私が閲覧するのですから、信頼してくれた患者さんに対し私は大きな責任があります。患者さんにも紹介先の医師の説明を理解していただくことは大切なので、あじさいネットにつなぎながら再度説明することもあります。また例えば、突然の鼻出血で当院に駆け込まれる高齢の方もいらっしゃいますので、止血処置の後あじさいネットに登録してもらい、基礎疾患や治療歴、投与薬剤などを把握することができます。
また、他科の疾患の電子カルテの記載を閲覧することで、さらに耳鼻咽喉科の疾患との繋がりを深めることができております。
例えば鼻茸の充満した副鼻腔炎を手術が必要だろうと長崎医療センターに紹介すると、CT検査は必ず行われますので単純X-Pではわかりにくい蝶形骨洞や、篩骨蜂巣の状態が鮮明になり大変参考になります。
また病理組織を見ることができるのも大きく、紹介した頭頚部腫瘍に対しては生検などで悪性の有無の見当をつけてから手術をはじめとする治療が行われ、病理組織学的診断により組織型や悪性度やリンパ節への転移の有無が精査されますが、このような過程があじさいネットを通して閲覧できるため診断や治療に対する理解が深まります。
あじさいネットごぞんじですか~③~へつづく
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