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「声枯れ」について -その(1)-
- watanabe-jibiinnkouka
- 2017年12月3日
- 読了時間: 2分

「声がれ」について ―その⑴―
わたなべ耳鼻咽喉科院長 渡邊 敬
皆さんは朝起きた時、声が出なかったらどうしますか?
おそらくとても慌てて、どうしたのだろう、カラオケで歌い過ぎたせいだろうか、お酒やたばこを飲み過ぎたせいだろうか、声帯に何かできているのでは?癌だったらどうしよう、などとても不安になるはずです。
そこで耳鼻咽喉科専門医から役に立つ知識を提供したいと思います。
一番ありふれた病気としては「急性喉頭炎」と言って声を出す声帯が腫れ上がることによって声がかれるものです。声帯がうまく振動しなくて声が出しにくくなります。これを治すにはまず、無理に声を出そうとせず声帯を休めることが大事です。病院で炎症を引かせるような薬をもらって飲む、霧状になった薬液を吸入するネブライザー療法も効果的です。おそらく1週間以内には治るはずです。
次に、慢性化した喉頭炎があります。タバコの害が明らかになってから、ヘビースモーカーは少なくなりましたがタバコ、お酒を飲んで大声を張り上げる、カラオケで歌い過ぎる、こういった習慣のある方は慢性的に声帯が腫れた状態になっていることがままあります。
ポリープ様声帯、声帯ポリープ、声帯結節と呼ばれる病気は声の使い過ぎが基礎にあると考えられます。職業的な声の使いすぎはよく見られるものです。たとえ手術的に一時治っても同じような発声の習慣があればまた再発することが良くあります。歌手、僧侶、教師、保育士、歌、詩吟を趣味にしている人などは無理な発声を続けないこと、必ず声を安静にする時間を持つことをお勧めします。